土井 昭の 大怪我からのSDA in 王滝100kmへの挑戦 VOL.5

CP1~CP2 約30km

 

CP1(第1関門)からは多少の登りはあるが長い下りが続く。先ほどと同じくエネルギーをセーブしながら効率よく前を急ぐ。 コースの下には綺麗な湖があり見とれてしまう。ときどきソフトボールくらいの石を踏んでしまい焦る。脇見注意!

下りが終わると湖の周りの比較的平坦な区間に入る。平坦といえど路面はダート。 タイヤの空気圧を下げ、数キロの装備品でドッシリとしたMTBはなかなか進まない。
途中で29erに乗ったライダーに抜かれたが着いていくことに。少しオーバーペースだが空気抵抗が少ないのでついて行ける…ハズだったがロードなどに比べるとその恩恵はあまりなく後退…。どなたか存じませんが勝手に後ろに着いて前を引くこともなく後退してしまいすいません。(汗)
この辺りで「残り50km」の看板を見かける。
「マジ!?ここまでと同じくらいさらに走るの…?」
平地で温存するどころか逆に足を使ってしまいネガティブな感情になる。自業自得ですね。(笑)

ここから3段式の大きな登りに入る。足を回しながらコースプロフィールを見て標高の足し算をする。CP2までの獲得標高は3段合わせて500mほどありメチャクチャ暑いのにゾッとする…
次第に傾斜がきつくなり腹をくくる。ひたすら我慢で登るがこの辺りで右腕のシビレと腰痛が酷くなる。 暑さと疲労で集中力が切れだしライン取りや補給が雑になる。何度もボトルの水を浴びるが驚くほどすぐに乾く。洗濯指数はやはり「100」や!

子供たちのメッセージを読みながら色んなことを考え出す。
「がんばってね」 こんなん頑張らんでも余裕やで! うそ、もう無理…
「むりしやんといてや~」 かれこれ4~5時間ずっと無理してるしまだまだするよ~…
「ぜったい100kmかんそうできる」…なんで6年生やのに全部ひらがなやねん!(怒)

頭も体も相当壊れだしてましたが力を振り絞り約64km地点のCP2に到着。 ゆっくり休憩したいが予定より遅れだしたので固形物と鎮痛剤を飲みCP1と同じくクイック補給系を済ませ出発。 ピントがぶれてますね。頭がボーっとしてましたがカメラもボーっとしていたようです。(笑)
スタッフの方々の対応が優しくて色んな意味でオアシスです。

CP2~CP3 約12km

CP2からは長い下りが続きリフレッシュ。しかし下りの後には登りがありここも例外はなくしっかりと長い登りが控える。
コース上ではパンクや疲労で座り込んでいるライダーも増える。ここでガレて斜度もある難易度の高い登りがやってきて、バイクから降りて押し上げるライダーも多いなか意地でもバイクに乗ったまま登り絶対に止まらない。小さなプライドだけで踏ん張る。

次第に登りでパスすることもあるが体がきつ過ぎてモチベーションには繋がらない。しかしLEZYEN GPSの表示でもうすぐ下りに入るのが分かると少しニヤッとした。(笑)
この下りが終わるとついにCP3。ここを時間内に通過すればほぼ完走できるといわれているため気持ちが軽くなる。

舗装路の下りを抜け気持ちよく約76km地点のCP3に到着。「目標1をクリアできそう」と思いバイクから降りると腰がカクーンとなり力が抜ける。腰を指圧するとガチガチに固まっていた。 ちなみに写真の「1」は午後1時をお知らせしています。

出発準備をしながらレースプランを練り直す。トラブルさえなければ完走はできる。
でも8時間30分でゴールするには1時間30分しかない。 ここまでの走りと残りの距離や標高を考えると9時間台になりそう….。
増田選手には余程なトラブルがない限り追いつくことはなさそうな感じだった。 しかし普段のレースと同じくどんな状況でも諦めずにベストなパフォーマンスでゴールを目指すために出発した。
このあと、娘からのメッセージの「と」の部分が超絶に邪魔になるのをこのときは知らない…。

続く

 

 

VOL.6へ

 

土井 昭の 大怪我からのSDA in 王滝100kmへの挑戦

関連記事一覧