土井 昭の 大怪我からのSDA in 王滝100kmへの挑戦 VOL.4

スタート~CP1 約34km

王滝100kmへ挑戦(vol.1参照)を決めてから早くも本番となりました。最低でも完走はしないと「無謀な挑戦」になってしまうのでリハビリ、練習、情報収集、バイクや装備の見直しなど本気で行いました。
最初は不安しかありませんでしたがそれらは少しずつ形になり実力や自信に変わっていくのが楽しかったです。(とはいえ不安は最後までぬぐい切れず)
「レースは準備が9割」の9割は自分では100点の出来でした。
残すは本番の1割。でもね~、感覚としては初の王滝は本番が1割じゃなく4割くらいあるんじゃないか?じゃあ合計13割?くらいのボリューム感でした。(笑)

レースプラン

さて、いろいろ調べて自分なりに立てたレースプランはこちら
■1 : スタートからCP2約64km地点(CPとは1~3まであるチェックポイント:水がもらえる)までは絶対に自分のペースで走る。後半踏めそうなら踏む。(どうだったんでしょう?笑)

■2 : 補給は30分~45分おきに摂る。(後半エネルギーが切れないように)

■3 : 3つあるCP以外は止まらない。CPも補給だけですぐに出発する。(自分は亀のように登りが遅いのでゆっくりしてられない。ちなみにトップの選手は4時間半くらいでレースを終えるので休まないウサギさんである。)

■4 : 登りは絶対にバイクを押さない。

■5 : ボトルや工具、補給食を落とさない。(体のことを考えハイドレーションを使わずボトル2本、その他すべてをバイクにセット。実際コース上にはたくさんの落し物がある。)

■6 : 落車やパンクをしないよう心掛ける。(尖った大きな石が非常に多くパンクや落車が非常に多かった。)

■7 : 下りはペダリングもブレーキングもなるべくせずに効率よくスイスイ下る。

第1目標 「完走」
第2目標 「8時間30分以内でゴール」
第3目標 「4Xでチームメイト兼ライバルの増田選手に勝つ!!(重要)」 以上の項目を頭に入れる。レース時間が長いのでBMXのときより準備もプランも多くなかなか大変でした。(汗)

5月21日(日)大会当日の朝

まだ辺りは真っ暗な3:30に起床し簡単な身支度をはじめる。

レース当日にこんな時間に起きたのは初めてですが王滝では普通のようです。
なぜこんなに早起きなのかといえば100kmクラスのスタートは朝6時。
そしてスタートの場所取り開始が朝4時30分からできる。 さらに場所取りの場所取り(コース脇にバイクを並べる)がもっと早くから行われています。 正直なところ初出場ですし順位はこだわっていないので後方スタートも考えましたが900名以上が一斉にスタートするため後方では渋滞が起こるとのこと。 目標タイムを設定していたので少しでもタイムを縮めるために場所取りへ。 それにこの儀式は王滝名物の1つなのでやってみたかったのもあります。(笑)

僕たちが朝4時頃に行った時点で2~300番辺りの位置でしょうか? 最前列付近の選手は何時から待っているんでしょうね?おそらくほとんどの方が睡眠不足だと思います。(笑)

無事に儀式を終え満足気にクルマへ戻り本格的に支度を始める。 気温は思っていたほど寒くない。
日中はどんどん暑くなると予想し薄着で行くことに。
以前から悩んでいたシューレースの色はあえて遊び心の色違いを楽しむ。
シューレースを1本1本丁寧に調整ししっかり結ぶと気持ちも引き締まる。

朝食は普段より多くのカロリー、ビタミン、ミネラル、水分、塩分を摂取。食べ合わせの悪さと無理に胃袋へ流し込んだので気分が悪い。しかしこれくらいが長丁場のレースには必要。

腹がパンパンで苦しいがウォームアップ。体が軽く感じ調整が上手くいったのを感じる。
天気も快晴。洗濯指数で言うと間違いなく「100」です。笑

後に暑すぎて苦しめられますが…

スタート20分前くらいにスタート地点へ。すでに多くのライダーが集まり活気に溢れている。
王滝経験者のブログで見た風景と同じで気持ちが高まる。
神主さんがレースの安全を祈願し祈祷を行ってくれ自分も心の中で「無事に戻れますように。」と願う。今回一緒に参加したダイアテックスタッフのみんなと握手しライバルの増田選手とツーショットを撮るも距離感が近すぎてちょっと…笑

そうこうしているうちにスタートのカウントダウンが始まる。
「5・4・3・2・1…スタート~!プォ~~ン…(こちらも名物、ちょっと気の抜けたスタート音)」

BMXでは1レース最大8名で戦うが今回の100kmクラスはSSクラス(シングルギヤ)、女子クラスも含め900名以上のマウンテンバイカーが一斉にスタート。とんでもない大行列で圧倒される。BMXのレースは30秒前後で勝敗が決まるためスタートが大事でこの瞬間が集中力のピークになるがここは頭のチャンネルを「エコモードのレース仕様」にしゆっくり漕ぎ出す。

ダートの林道に入るまでの5kmほどの舗装路は先導車が入りパレード走行。しかしペースは意外と速く落車やボトルの落し物もチラホラ。自分は水分補給をボトルだけに頼っているのでヒヤッとして何度もボトルをチラ見した。
また、登りに向けてのポジション取りも始まっているのだと感じたが、ここでもマイペースを保ちポジションはキープすることに徹した。

いよいよ本格的に林道に入る。周りのペースが上がるが自分はペースを保ち緩い坂道を登る。徐々に傾斜がきつくなり石も増え走りやすいラインを走るために車間をとる。開けた車間に横からライダーが…また車間をとる…またライダーが… 感の良い人ならわかると思うが実は車間をとっているのではなく自分が遅いだけ!?
しかしこれ以上ペースを上げると最後まで持たない。今まで経験したことがないほどのライダーに抜かされ続け「オレはこのレースに出て大丈夫か?」と今更過ぎる自問自答を始める。
さらにギヤをローにしようとシフターを押すが変速しない。「トラブル!?」いや、すでにローを使ってしまっていた!王滝までの練習ではかなりの斜度で練習をしていたがほぼ舗装路だった為にダートの登りより負荷が軽い。

ここからゴールまで何度も何度もリアのスプロケを確認することになったのは言うまでもない。

ハンドルに張ったコースプロフィールと、LEZYNEのサイコンで何度も距離と高度を確認しようやく一つ目の登りを終える。すでにコースプロフィールに書いてもらった子供たちのメッセージ(vol.3参照)には何度も励まされる。(笑)
GIROのゲル入りグローブ(vol.2参照)もご機嫌で手のひらからのダメージが無かったのは助かったー。100km 2X 頑張ります!!

そして一つ目の下りに入る。ここでは疲れを抜くためにペダリングは軽くだけにしてスタンディングで流して下る。
シッティングで下るライダーが多く意外とスイスイとポジションを上げることができ気分もリフレッシュした。早速尖った石でパンクや落車したライダーを多く見かける。最近視力が低下し左0.3右0.5なので若干見えにくいが良いラインをチョイスできた。

ご褒美の下りはあっという間に終わりCP1を目指し長い登りを登る。もちろん先ほどパスしたライダー達にはあっさりと抜き返される…。

元気なうちに自撮りしておこうと頑張ってみたが顔があまり笑えていない。でもGIROのヘルメットは自分のスタイルに合っていて、かなり良い感じ~!
日差しがきつかったので、大きめのバイザーありがとう!

この辺りから気温も上がり体力が削られる。練習の時から起こる右腕の痛みとシビレが出だすがいつも通り1時間ほどでマシになった。

予定通り午前9時前にようやくCP1に到着。 ここで少し前を行く増田選手と出発時に入れ違ったらしいが気付かず。
固形物と塩分系のタブレットを頬張りながらボトルに給水しすぐにジェルを容器にうつす。 初めての経験なので少し緊張しましたがシュミレーション通りこなし5分ほどですぐに出発。ある意味ライディング中よりさらに集中して作業していた。

続く…

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土井 昭の 大怪我からのSDA in 王滝100kmへの挑戦

 

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