INSIDE ÖHLINS RACING
スウェーデン首都のストックホルム
Arlanda空港に降り立ったのは2月であった。 印象的なのは、雲が厚くかかり、鉛色の空が一面に広がっていた。 非常に気温が低くあちこちが凍っているにもかかわらず、多くのVolvoの車がバンバン飛ばして走っている。
車で走ること南に２時間。鉛色の空の中、青色バックの黄色いOhlins社の文字がクッキリとそびえたつビルが待ち受けてくれた。 会社の前へ立った時正直、ドキドキとワクワクで興奮を抑えられなかった。 「Hi!」と出迎えてくれたのは、OhlinsでMTBを担当するAlex。 彼は、もともとSpecialized UKで働いていたが、Ohlinsに技術を買われSwedenへ引っ越してきた。根っからの自転車好きだ。
ÖHLINSの歴史は、 まさにレーシングとともに 育ってきた。
その名は、Kenth Öhlin 彼は、親父の作業場で旋盤を回し、ストックでは満足できないショックをチューニングすることを楽しみトラックのレースに挑んでいた。 他のライバルがKenthのショックに興味を抱き始め、ついに1976年創業。 そこから、わずか2年でMXワールドチャンピオンを生み出す偉業を成し遂げた。
今までOhlinsは数々の勝利に導き、そしてマウンテンバイクにおいても、すでに輝かしい成績を残している。
ÖHLINSは、 レースが最高の実験場！
究極のレースで勝つために生まれた構造、セッティング、技術力は、完全にアフターマケットに落とし込まれる。 まさに、究極のものしか市場に出さない。 それが、今も変わらないポリシーである。 印象的だったのは、『私たちは、絶対に選手をサポートをしない』 どんな選手であろうと買ってもらう。 MotoGPのロッシでもだ。
買ってでも使いたい。そんな存在であるべきで、サポートするお金があるのであれば、次の技術投資に全て使う。当たり前だ。 今なおこの精神が貫かれていた。 正しいことを正しく進める。忘れかけたあるべき姿がここにあった。
©︎Pinkbike / Poss Bell
この連載は、2020年 年末に発刊した、ダイアテックの世界の仲間の魅力満載のブランドブック「the book 2021 vol.1」に掲載の記事を加筆しております。
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