ÖHLINS TEST RIDE in Italy and Finale ligure Vol.3

2021.02.02

まずはサグセッティング

朝食を済ませ、先ずは各々の乗るマウンテンバイクのサグ調整。

サグとは、マウンテンバイクにライディングウェアを着て乗車姿勢で乗り、DH系ならペダルの上にスタンディングした状態で、サスペンションが沈む量のことをサグで1G’（ワンジーダッシュ）と呼ぶ。モトクロスバイクの場合は車重がありバイクの重みで沈み、自重で沈むのを1Gと呼ぶ。

メーカーの指定値（オーリンズ・フロントフォークでは、AIRスプリング：10～15%、COILスプリング：15～20%、リアショックは25～35%。リアはフレームメーカーで値が変わる場合もあり）に、スプリングレートを調整し合わせるとことで、体重が50㎏の人や100kgの人でもスタートの位置を同じ位置から始め、サスペンションの機能を最大限に活用できるようにする基本セッティング。
そして最初から沈ませておくことで、凹んだところを通過するときに伸び側のストロークを使うことができ姿勢を安定してくれる。

サグの調整を済ませ、オーリンズが前後装着されたマウンテンバイクをトレーラーに積み込む。
今回ガイドしてくれるのは、YETIのアンバサダーも務める地元のツアーガイドの
フランチェスコ “RIDE OVER YONDER：www.rideoveryonder.com”
とても明るく・親切で気さくに話しかけてくれるナイスガイ。フィナーレリーグレに張り巡らされたトレイルの数は120+@にものぼる。彼は1年半かけて乗って覚えたとのこと。そしてEWS 2018 最終戦や、2019 TROPHY of NATIONS（国別対抗戦）でも選ばれた場所である。

ホテルを出発し、車に揺られること1時間ほどで山の頂上まできた。山を登っている途中、多くのライダーを見かけた。
自走で登る人、仲間同士でシャトル。e-MTBも多かった。トレイルマップを見ると、e-MTB専用のアップヒルラインもあり、お互い安全に楽しむように設計されているのだろうか。ヨーロッパでe-MTBが流行っているのも納得。そして、ツアーガイドや車でのシャトルサービスがきちんとビジネスとして成り立っているのが感じ取れた。

車を停めた場所から5分ほど登ると、風力発電のための翼が回る頂上に着いた。
ここがイタリアでのマウンテンバイク・ライドの出発点。

さぁ、テストライド開始

地中海が眼下に広がる無数のトレイルは砂っぽく土がパサパサな路面。コーナーには道を間違えないようにバームが張り巡らせられている。ギャップや小さなコブで飛べるようになっている、バームが連続するコーナー、スリバチ状のコースをハーフパイプのように切り返し、上下動のある自力で楽しむジェットコースターなライン。ハイスピードのロックセクションや、キツイ斜度でのギャップの連続など、走りを楽しむのも、テストするのももってこいの場所。そうそうCUBEのライダーも見かけた。
それぞれのトレイルのスタート地点ではフランチェスコがコース説明をしてくれ、そしてオキドキ～とサムアップで盛り上げてくれた。

LEZYNEのSENDIT CADYとROLL CADYとビンディングペダルは持参。結局使うことは無かったが、マルチツールやCO2ボンベ・チューブなどがあると安心できますね。プロテクターと同じで持ってきていないときに限って転けてヒザから流血、持ってきたら良かったと感じる転ばぬ先の杖アイテム。

実際走ってオーリンズのサスペンションは、Airでも初期の入りが物凄くスムーズ。連続するギャップでは、ストローク中間辺りで引っかかることなく動き続けていた。動いているがフワフワしている訳ではなく腰がある。フラットコーナーでも接地感があるのでビンディングから足を外すことはほとんど無かった。

ダンパーシステムが素晴らしいに尽きる

ギャップを吸収するとき、ピストンはカートリッジダンパーの中に入り込む。Top側は圧縮が高まり、Bottom側は低圧縮。そのためハイドロロックを起こしてしまう。またそれに近い状態になる。この問題を解決したのが、TTXダンパー(ツインチューブ・ミックス)。カートリッジ内にインナーとアウターに二つのチューブが存在し、オイルは留まることなく常にフロー(循環)している。TopとBottomのオイルが常にミックスされていることからTTXダンパーと呼ばれる。

オーリンズのスタッフロビンは、メカニック兼テストライダー。常に最新の様々なマウンテンバイクを常にライドしている。走りも相当に速い。オーリンズは常に改良(アップデート)を行っている。小さな改善を行う。変更したらパーツを組付け、ロビンがテスト。テスト-Shit-テスト-Shitの繰り返しだと笑って話してくれた。