ÖHLINS TEST RIDE in Italy and Finale ligure Vol.1

2021.01.31

イタリアフィナーレリーグレでオーリンズテストライド!!

僕はイタリアのジェノバ空港に降り立った。
そう、EWSでは馴染みのあるフィナーレリーグレ（Finale Ligure）で行われるオーリンズのテストライドに参加するためだ。

EWSとは、”Enduro World Series”の略、Enduroとは、マウンテンバイクのレースである。
幾つものステージレースを走り（下り）、ステージとステージのコースを繋ぐ区間はリエゾンと呼ばれ自走で走る、DHの下るテクニックと自転車ならではの漕ぐ力も試され、ステージでの合計タイムで競われるレース。リエゾン区間を自走で移動し山を登り、幾つもの下りを下る、原点回帰なマウンテンバイクならではのレースで人気だ。

フィナーレリーグレで行われることを知り、またオーリンズのサスペンションを使って走って試せるそんな機会に恵まれた僕は凄く心をくすぶられた。そして同時に独りで行くことに少しだけ不安も覚えた。

日本出発の日。伊丹空港、羽田空港と乗り継ぎパリ・シャルル・ド・ゴール空港までは順調に来たが、強風のためジェノバ行きの飛行機が予定通りに飛び立たない。
自分の立てた予定では、ジェノバ空港に13時前には到着し、ジェノバ市内でジェノベーゼを食べてからフィナーレリーグレにあるホテルに行く予定を立てていた。
元々トランジットが6時間、飛び立ったのはプラス3時間後だった。
9時間飛び立つのを待っている間に、イタリアの交通事情を勉強しておく。
当然、右側通行。他に気をつけておきたいことは、歩行者が絶対優先。ZTLの看板（車両侵入禁止）は観光地に多いが、今回見ることはなかった。交差点は、ラウンドアバウト。（イタリアではロトンダと呼ばれる）ラウンドアバウトは上賀茂神社前にもあり経験済だから大丈夫。

今回ライドするマウンテンバイクはOHLINSが用意してくれるため、荷物はライディングギア（GIROのSWITCHBLADEヘルメット・EMPIREVR90シューズ・DNDグローブ）とパソコンと着替えとコンパクトな荷物。
レンタカーは、FIAT500Lというコンパクトな車をレンタル。ヨーロッパではオートマのレンタカーは少なく割高。迷わずマニュアルを選ぶことにした。空港内にあるレンタカー会社で受付を済まし、車の停めてある空港前の駐車場に移動した。

いざ出発

荷物を載せ、カーナビをセットする。言語を英語に設定したが、地名がイタリアの地名なので設定できたのか分からなかったが、想定していた海岸線の道を辿るルートに設定はできたので、うん大丈夫。
さぁ出発だ、とギアをバックに入れようとするが、バックに入らない。シフトノブを見るも「R」の文字がない。5速ミッション、無りやりノブを一番右の下側に入れようとするも当然入る訳がない。説明書には書いていない。ネットを繋げようとするも繋がらない。
かれこれ30分は奮闘しただろうか。ここの駐車場の係の人が歩いてきたので、英語で声を掛けた、がイタリア語での返事、お互い伝わらない。それでも身振り手振りバックの仕方を教えて欲しいと伝え、なんとか通じたようだった。
その瞬間、色白の顔色が赤く染まり「お前は本当にこの車を借りたのか？」と言い寄られてきた。

先ほど契約を済ませたレンタカーの書類を見せ、なんとか分かってもらえたようだった。
こうするんだと、シフトノブの下側をカチッと押し上げるだけだった。
「グラッチェ」。

空港を出発する頃には日が暮れてきた。海岸線を走る。「あぁイタリアに来たのだな」とようやく感慨にふけることができた。

強風のためか車を走らせると否応無しに潮風がフロントガラスを曇らせる。
景色を横目に、シフトチェンジをしようとすると、左手を空振りしてドアにぶつけること数回繰り返す頃には、ナビが示すホテル付近までやってきた。
海岸沿いを通る大きな通りから、どうやら急な坂を登ったところにあるようだ。建物と建物の間をすり抜け開けた道に出た、
見えたのはお城？？？