おじさんのEroica CALIFORNIA 参戦記 後編

Short64㎞ / Medium116km / Coastal139km / Heroic203kmの4ルート

参加者合計800名程がカリフォルニアの大地を走りました。

 

おじさんの愛称で親しまれる名古屋の老舗ショップ

カトーサイクルの店主 加藤安弘さんとの

Eroica カリフォルニア実走編レポート

加藤さんは昨年エロイカ ブリタニアへ参戦し、その際に今回のカリフォルニアへ日本代表としての参戦チケットを手に入れられていました。

前回のレポートは下記リンクより。

エロイカ ブリタニア編へ

加藤安弘さんは日本代表招待選手。74歳は大会最年長。
EroicaのイタリアシクロチャンピオンLuciano Berrutiさんは73歳。

朝日を受け気持ちよくスタート。

しかしスタートして20㎞ぐらいで早速2人ともパンク。 こんなトラブルでも簡単にチューブラータイヤを交換する加藤さんの姿はさすが、頼もしい以外の言葉が見つかりません。

その後登坂区間では坂も15パーセントオーバーに
さすがにそうなると自転車も押すことになります。

コース中にはダートが随所にありますが、日本のジープ道のように砂利がごろごろしているというより細かい砂が固まっている感じ。
アメリカでは、今このようなルートを走るグラベルグラインダーバイクが流行っているとのこと。 山あいの舗装路が縦に走っているとすれば、ダートはそれを横切るように走っており、それを繋いでいけば今まで行けなかったルートで走ることができる。 走れる範囲が一気に増え、走る面白さがが増すという感じなのでしょう。

お待ちかねのエイドステーション

お待ちかねのエイドステーションには、フルーツやワイン、サンドイッチが随所に用意してあり参加者にパワーをチャージしてくれます。
イタリアのエロイカではワインや生ハムなどがいっぱい用意してあり、参加者もワインをたらふく飲んで走るというようなスタイルでした。 今回のアメリカは、コースがタフなこともありある程度休んでは頑張って走るというライダーが多かった気がします。

ワインカントリーの景色

前半は、ここはイタリアかと思わせるようなワインカントリーの景色が広がっています。
道中は、走るごとに気候や湿気、気温が目まぐるしく変わるのを肌を通して感じることができる。
これが、カルフォルニアワインのおいしくできる地形の秘密ということ。

寒暖の差もかなり激しかったです。

そして第1ピークの頂上。

山頂から見下ろす山間の景色、それから一気に駆け下り海沿いへと降りていきます。

そうすると、たちまちカルフォルニアの空気に包まれ。気温も一気に上がります。 海風を感じ、花畑が広がる道で、追い風を味方につけ順調につぎのフィードへ。

次のフィードゾーンはビーチでした。
燃料補給し、いざ最後のビッグヒルクライムへ。

山の途中で休憩

この後半は景色のおかげで登れたといっても過言ではないくらい。
素晴らしい景色が背中を押してくれました。

最後のラストスパート

ゴールまでもう一息

ゴール!!

そして、午後5時無事完走。走行時間10時間弱。
ビールとメキシカンがゴールで振る舞われ、完走を各国のメンバーとたたえあい祝福。
ずっと近くで苦しみを共にしたメンバーは自然と友達になります。 イタリアとイングランドを走った加藤さんは、今までで一番きついコースではあったけれど、最高の景色がご褒美としてあるコースだったと。 体力をすり減らしながらも景色を見ながら楽しんで走られたそうです。

ここeroica californiaは、イタリアとアメリカが感じられるダイナミックなコース。 エロイカの代表が、エロイカシリーズの中で世界一のコースだと豪語していたとのことです。

 

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L’Eroicaとは

イタリア語で”英雄”を意味するL’Eroica(エロイカ)。 1997年にイタリアのトスカーナで始まったヴィンテージサイクルイベント。
世界中から集まる5,000人もの参加枠は今やプレミアチケットに。 参加規程は1987年以前に製造されたクロモリ製のヴィンテージ自転車であること。 老いも若きも男女の別なく、その多くがウールジャージや革靴などクラシックなスタイルに身を包む。 だが、エロイカは単なるノスタルジックな催しではない。 町の遺産として残すべき美しい未舗装路を保護するという思いに起源をもつ。

未舗装路とヴィンテージ自転車

サイクリストで、自転車をこよなく愛するジャンカルロのアイディアは、「ストラーダ ビアンカ」とヴィンテージ自転車を組み合わせることでした。

1950年代のイタリアは、まだ未舗装路が多く残され、美しい田園風景が各地に残されていました。 そして、自転車乗りたちは過酷でも美しいストラーダビアンカを走り続け、イタリアの自転車史上の数々の伝説を築いていったのです。

そこで、その伝説上の「英雄」たちにちなみ、ストラーダビアンカをヴィンテージ自転車で走るミーティングが「L’Eroica(エロイカ)=英雄」と名付けられました。

あの時をもう一度…

未舗装路をヴィンテージ自転車で走るという「L’Eroica」はもう一つの遊びを提供してくれることになります。 ヴィンテージ自転車を走れるようにレストアしてエロイカで完走すると言う目的は、自転車と人間の深い関係を構築することです。

これ以上の乗り物との付き合い方は今までにあったでしょうか。 ガレージの隅に忘れ去られたヴィンテージ自転車は、もう一度チャンスを与えられ、レストアする時間は自転車ファンには至福の時間となり、時間をかけて完成した古い友人は、過去の栄光の時と同じくオーナーとともに「ストラーダ ビアンカ」に挑戦するのです。

 

L’Eroica(エロイカ)が気づかせてくれるもの

L’Eroicaは今や多くのファンを生み、イベントとして成功しただけではありません。 L’Eroicaの長年の取り組みが認められ、シエナ県は「ストラーダ ビアンカ」の保全を公式に行うようになりました。

さらに、L’Eroicaで走られるストラーダビアンカのコースは常設コースとして整備され、標識が建てられており、自転車愛好家たちがいつでもL’Eroicaのすばらしさを味わえるようになっています。

L’Eroicaは見事に未舗装路がシエナ県の観光資源として重要な価値を持っていることを証明して見せました。 誇り高きエロイカの「ストラーダ ビアンカ」はシエナの美しい田園風景からこれからも消えることはなく、イタリアの伝説は受け継がれていくのです。

Note:「ストラーダ ビアンカ」とは「白い道」の意味でイタリアでは砂利道、つまり未舗装路のことです。 イタリアのほとんどは石灰質の地層なので、地面は乾燥すると白くなるためです。 一般的に「ビアンカ(白)」は未舗装路、反対に「ネーラ(黒)」の道はアスファルト道路をさします。

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