Muc-off 洗車の魅力 ラバッジョ 福井 響さんインタビュー

自転車の洗車専門店ラバッジョを運営している福井響です。 私は今、自転車を綺麗にすることを仕事にしています。

ラバッジョでは自転車の販売やメンテナンスなども一切ない、洗車の専門店です。

私がこの仕事を始めようとしたきっかけは前職にあります。私は2019年シーズンまでの6年間、自転車のプロロードレースチームで専属メカニックをしていました。周りから見るプロの世界は、ミリ単位の調整をして、ホイールのベアリングを分解し、最速の自転車を作り上げる、きっとそんなイメージかと思います。

しかし現実は違います。もちろんミリ単位の調整で最速の自転車に仕上げることも1つの仕事ですが、それよりも大事な仕事があります。

それが「洗車」です。

基本は洗車から

これは車やバイクのレースでも同じ事ですが、レースの世界では洗う事こそが全ての基本です。 その日の汚れはその日に落とし、全ての不具合を洗い出すのが主な目的です。メカニックの修行も、必ず洗車から始まります。

私はジロ・デ・イタリアに2回メカニックとして参戦しています。このレースは3週間をかけてイタリアを一周するレースです。このようなステージレースではレース後の移動も多いため、時にはメンテナンスに十分時間が取れない日もあります。 たとえばレースが終わり夜9時にチーム一行がホテルに到着したとしましょう。そんな日にメカニックが使える作業時間は長くてもせいぜい1時間半です。もちろん徹夜する方法もありますが、そんなことを3週間続けていてはメカニックの身体が持ちません。

さぁ、メカニックはここで何を一番優先させるでしょうか?

タイヤ交換?ネジの緩みチェック?それとも変速調整? どれも違います。

ここでの最優先事項もやはり「洗車」なのです。

 

洗車を怠ると、全てのミスを誘発します。タイヤにガラス片が刺さっていたり、チェーンの磨耗 が進んでいたり、どこからか異音が聞こえたり。これらは全て「洗車」を怠ると、見逃してしまうことがあるからです。

 

洗車が与えてくれるもの

私はメカニックになるまで、それほど洗車にこだわる人間ではありませんでした。洗車の大切さを理解していなかったのが正直な所です。それもこれも全てプロの世界で大きく覆されました。ここまではプロの世界の話をしてきましたが、これは全てホビーの世界にも当てはまります。なぜならホビーの皆さんも普段は仕事をしているプロだからです。洗車は綺麗にするだけでなく事故を未然に防ぐことができるとても大切な作業です。怪我をして困るのはレースのプロだけではありません。そしてもう1つ、洗車で得られる大きなメリットがあります。それは「笑顔」です。愛車が綺麗になると、思わず笑顔が生まれます。これは私がラバッジョを通して得た大きなメリットです。

洗車をすると幸せ度数がグ〜ンとアップするのです。

プロの世界ではそれが選手のモチベーションに繋がるので、やはり汚れた自転車では勝負ができません。

 

福井さんの洗車アイテム

そろそろ分かってきましたか? 洗車って凄くて、面白いのです

とはいえ、自転車の洗車はどうしても面倒な物と捉えられがちです。 それは何故か。単純です。なかなか綺麗にならないのです。

ラバッジョではどんな自転車でも30分でピカピカに仕上がりますが、やはり家での洗車はちょっと時間がかかってしまいます。

そして時間を掛けた割にはあまりピカピカにならないのが困りどころ。

これは全て洗車のタイミングと洗車方法にあります。

まず洗車のタイミング。これが非常に大切です。あまりに汚れすぎると、いよいよ高圧洗浄機やパーツの分解作業が必要になってきます。ある程度の汚れ具合だと、普通のホース、いやジョウロでも自転車はピカピカに洗えます。

目安は毎日通勤している自転車で1ヶ月

週末ライダーで2ヶ月がデッドライン。それ以上放置すると、いよいよ洗車が面倒臭くなってきます。逆にそのタイミングを守っていると、あなたは30分で幸せを掴むことができます。 さぁ洗車のタイミングを頭に叩き込んだら、あとは洗い方だけ。

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