ENVE JOURNAL Vol.7 NTT Pro Cycling 石畳でチューブレスをテスト

写真: Getty Images & Annalisa Durighello

NTT Pro Cyclingは、春のクラシックが新型コロナウイルスにより中止へと追いやられる前に、ワンデイクラシックで優位に立てるであろう機材を選びました。ジャコモ・ニッツォーロはロード用チューブレスを使用してチームに初の表彰台入りをもたらしましたが、そのホイールとタイヤのテクノロジーのメリットをさらに証明するには、レースの再開を待たねばなりません。

カーボンリム、ひいてはアルミリムの誕生よりはるか昔、チューブラータイヤはプロロードレーサーが選ぶ唯一のタイヤでした。これが次第に変化し出し、各チームは機材がもたらすメリットを他に探し始めます。接着以外のレースタイヤの取付方法が今までと異なっていたとしても、チューブラーより転がり抵抗が最大20%も減るようであれば、いつまでもこだわっているわけにはいきません。

突如として、ホビーライダーの間で人気となっているチューブレスシステムそのものが、プロレーサーの間でも広がり出したのです。ニッツォーロに表彰台入りをもたらしたタイヤとホイールのチョイスは、エンヴィのランチライドやユーザーがライドで使用するものとまったく同じです。

石畳でチューブレスタイヤの有効性を確認
2月中旬、NTT Pro Cyclingのミヒャエル・ゴーグルとエドヴァルド・ボアソン・ハーゲンはフランスのリール郊外に降り立ち、チームスタッフや機材パートナーのBMC、Vittoria、そしてエンヴィと共に、石畳で丸2日間のテストを行いました。有名なルーベのベロドロームから15マイルほど離れたこの地域には、数々のクラシックレースに登場する石畳区間があります。

二人は2日間に渡り、パリ-ルーベに最適なバイクを探すべく、BMCのモデル複数台をテスト。また、バイク以外にエンヴィ SES 4.5 ARとVittoria Corsa チューブラー、4.5 ARと28c Vittoria Corsa チューブレス、そして3.4 ARと28c Vittoria Corsa チューブレス(28cのチューブレスタイヤをSES AR リムに装着した際の幅は30.5mm)の組み合わせもテストしました。

彼らは最終的に、パリ-ルーベだけでなく残りのシーズンに予定されているレースにも使用するタイヤを見つけられました。

チューブレスがチューブラーのようなしなやかな走り心地をもたらし、同時に滑らかな舗装路では転がり抵抗を軽減させるとわかると、彼らはすぐにレースへ投入を開始。ツールドフランスで3度のステージ優勝とパリ-ルーベで5度の優勝を経験したエドヴァルド・ボアソン・ハーゲンは、こう思いました。「なぜ、いつでもチューブレスを選ばないんだろう?」 これは良い疑問です。

レースにチューブレスタイヤを投入してから数週間後、ニッツォーロはクールネ-ブリュッセル-クールネでトップ3入りを果たし、すでに多くのユーザーが使っている現在のタイヤテクノロジーが、将来的にはワールドツアーでも使われるようになると証明。レースが再開したら、ワールドツアーでこれまであまり選ばれることがなかったテクノロジーが、すぐに当たり前のものになるでしょう。

エンヴィは、ロード用チューブレスがあらゆるレベルのライダーにメリットをもたらすとかたく信じています。エンヴィがこれまでの5年間に作ったほぼすべてのホイールは、チューブレスに対応しています。これらホイールが、優れた耐パンク性能をもたらし、より適正な空気圧での走行を可能にし、転がり抵抗を軽減させているのです。

次回は、チューブレスタイヤについての誤解やセットアップを詳しく見ていきます。
 

ENVE JOURNAL Vol.9 チューブレスに対する誤解

 

 

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